P6 小規模オフィスにおける職場環境改善のための苔利用の提案
小規模オフィスにおける職場環境改善のための苔利用の提案
〇松本 祐季、岩崎 哲也
兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科
要旨
昨今、働き方改革や健康経営への関心が高まる中で、その解決方法の1つとして「オフィス緑化」が注目されている。日本でも生産性の向上やストレス低減に繋がるものとして、大企業などで導入が進んでいるが小規模オフィスまで普及していない実態がある。
その理由として、効果が広く知られていないことと同時に費用面、管理の負担、スペースの問題等が考えられる。小規模事業者は日本の企業の中で約87%を占めており、その環境の改善は、多くの労働者の職場環境の改善に繋がると考える。
そこで、制約が厳しい小規模オフィスの環境改善を目的とし、負担が少なく継続可能な「オフィス緑化」の提案を行うために、苔を用いた可能性について検討を行う。
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この投稿へのコメント
健康経営に植物を取り入れることに魅力を感じており、大変興味深く拝読しました。主に心理的な効果が得られるものと認識していますが、一般的な木本や草本と比較したとき、苔の効果はどうかといった知見やお考えがあればご教示ください。よろしくお願いいたします。
この度は、ご質問いただきありがとうございます。
苔の育成を通じて、苔はミクロな視点を持つことでその魅力に気づくことができるのではないかと考えるようになりました。
検討や評価はまだ途中段階ですが、木本や草本と比較し、ミクロな世界を楽しむことやミクロな世界に集中できることは、より癒しになるのではないかと考えています。
また、仕事の途中で作業の手を止めて苔のミクロな世界を味わうための仕掛けを作る必要があると考えています。
ご回答ありがとうございます。手入れが簡単で効果が十分に得られれば身近に取り入れやすくなると思います。今後の検証を楽しみにしております。
ありがとうございます。
引き続き、努力したいと思います。
ランドスケープ技術報告集Vol.1への投稿を是非ご検討ください。
ランドスケープ技術報告集Vol.1への投稿をご検討頂ければ幸いです。
この度は、投稿への依頼をいただき、うれしく存じます。
進捗を考えながら検討させていただきます。
いわゆる”コケ業界”も緑化(コケテラリウムのような小規模なもののみならず、ご提案のような(あるいはそれ以上の規模の)オフィス緑化、屋外におけるグランドカバーも含む)に力を入れたいと考えているようで、ちょうど今年度の日本蘚苔類学会大会で話題提供をしたところです。村上先生のご提案と重複しますが、日本蘚苔類学会を含めた他学会への情報提供のためにも、ぜひ文献の形式で広く公表頂ければ幸いです。
質問ですが、今後オフィス緑化におけるコケ導入の促進に向けて、どのような研究展開をご予定されている、あるいは考えられるでしょうか?
この度は、ご質問いただきありがとうございます。
コケ導入の促進に向けては、やはり、企業側・従業員側双方の負担の少なさが重要と考えています。
合わせて、魅力的な作品、オフィスにふさわしい作品の提案が必要だと考えていますが、それがどのようなものかということに頭を悩ませているところです。
また、「慣れ」からくる関心の低下は、緑化の効果のみならず、継続にも影響があると考えられますので、「変化」を感じる仕組みとは、どういったものかを考えているところです。
引き続き、検討を行っていきたいと考えます。
他学会への公開につきましても、進捗を考えながら、検討させていただきます。
苔を利用したヒーリング空間の創出は、忙しいサラリーマンの日常を癒してくれると思います。種類ごとの丁寧な実験結果を活かした癒しの空間が広がることを期待します、
コメントを記載いただき、ありがとうございます。
現代において、企業におけるメンタルヘルス対策は、重要な課題になっていると考えています。
従業員にとって、働きやすい環境の創出は、従業員においても企業側においても利益になるものと考えています。そのために、緑が活かされればと考えています。
日々、業務に忙殺されている中で緑に目をとめてもらうことは、大変難しいことと考えますが、働く人々が心地よく働ける職場を作るにはどうすればよいか、そこに苔をはじめとする緑をどのように生かせるのかについて引き続き、考えていきたいと思います。