P007 淡路島における樹木の地産地消の推進方策に関する考察
淡路島における樹木の地産地消の推進方策に関する考察
〇難波梨菜1、嶽山洋志1
1 兵庫県立淡路景観園芸学校/兵庫県立大学大学院 緑環境景観マネジメント研究科
要旨
淡路島では、野生動物共生林整備事業などを活用し、集落内の樹林地の間伐が行われているが、その多くは切り捨て間伐であり、このような放置材を安全管理上の観点からいかに活用するかが課題となっている。本研究では、そのような集落内樹木を資源と捉え、集落のPRや収益にどのように結びつけることが出来るか、特に最近、島内のキャンプ場や宿泊施設で近隣集落の樹木の薪利用が盛んに行われていることから、“樹木の地産地消”に焦点を当て、その実態解明と推進方策について考察することを目的とした。結果、薪やチップ、榾木、玩具など、淡路島内ではすでに多様な樹木の地産地消が行われていることなどが明らかになった。。
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この投稿へのコメント
「どの樹種が何に使えるかわからない」というのは、重要だと思いました。樹木の創造的な利活用の提案には、情報提供やコーディネイトが必要だと思われましたが、その辺りについて何かアイディアがありましたらご教示ください。
下村先生
コメントをいただき、ありがとうございます。樹木の創造的な利活用の提案、情報提供やコーディネートのアイディアについて回答いたします。
先生のご指摘のとおり、集落の方々からは「樹木の特性と活用方法についての講習会を開いてほしい」「活用方法を知っている人を紹介して欲しい」などの意見をいただきました。今後の取り組みとして、図書館などの公共施設で樹木の活用に関するパネル展示、淡路島の木で作られた木工作品の展覧会を開催する予定です。活用方法を知りたい集落の方と、何かに使いたいけれど樹木をどのように手に入れるか分からないという方にも訪れていただき、情報交換をしたいと考えております。また、最終的には、いただいた情報についてパンフレットなどで集落などに配布することも検討しております。
コーディネートにつきましては、私や大学がつなぐ役割を担うことができれば、と考えております。ちなみに活用する側の意見も聞いており、「使える樹木が集落にどのくらいあるかが分からない」「樹木があっても伐採してから使えるようになるまでは2年ほど乾燥しないといけないため、その間の置き場や管理をしてもらえると大変助かる」などの意見をいただいております。活用する側にも課題がございますので、両者の課題を解決するコーディネーターをぜひ担っていきたいと思っています。
下村先生
コメントをいただき、ありがとうございます。樹木の創造的な利活用の提案、情報提供やコーディネートのアイディアについて回答いたします。
先生のご指摘のとおり、集落の方々からは「樹木の特性と活用方法についての講習会を開いてほしい」「活用方法を知っている人を紹介して欲しい」などの意見をいただきました。今後の取り組みとして、図書館などの公共施設で樹木の活用に関するパネル展示、淡路島の木で作られた木工作品の展覧会を開催する予定です。活用方法を知りたい集落の方と、何かに使いたいけれど樹木をどのように手に入れるか分からないという方にも訪れていただき、情報交換をしたいと考えております。また、最終的には、いただいた情報についてパンフレットなどで集落などに配布することも検討しております。
コーディネートにつきましては、私や大学がつなぐ役割を担うことができれば、と考えております。ちなみに活用する側の意見も聞いており、「使える樹木が集落にどのくらいあるかが分からない」「樹木があっても伐採してから使えるようになるまでは2年ほど乾燥しないといけないため、その間の置き場や管理をしてもらえると大変助かる」などの意見をいただいております。活用する側にも課題がございますので、両者の課題を解決するコーディネーターをぜひ担っていきたいと思っています。
対象地域において竹の活用が低いということに興味を持ちました。例えば、モウソウチクの枝を利用した、竹ぼうきや手ぼうき、竹材を利用したクマデ、竹カゴや竹製の手箕など農業・造園・生活用具としての需要も、対象地域において低いのでしょうか?京都においては、国産の竹ぼうきや手ぼうきの生産者が激減しています。一方では需要がありながら生産者が消滅してゆく状況があり、他方では供給の可能性がありながら、需要が見出せない。この需要と供給のマッチング手法を見出すことができたら、少し可能性も見えてくるのではないかと思いました。
曽和先生
コメントをいただき、ありがとうございます。竹の活用について回答いたします。
淡路島ではモウソウチクよりマダケを材としては良く使っています。使い方としては、イネを干す「稲架」と玉ねぎ小屋に玉ねぎを干す「なる」に需要が多いです。拡大しているのはモウソウチクで生活財としてよりもタケノコとして食べる需要をいかに増やすかを考えることが有効、と考えています。
現状、竹を活用せず処分している集落が多いです。一方、竹を活用している集落では、竹チップ、竹細工、竹灯籠、竹炭などに利用しておりました。
需要と供給のマッチング手法については、竹のみならず木材でも大きな課題と捉えております。今後、消費者の方にもアンケート・ヒアリングを行い、どのくらいの需要があるのか、地域の資源を手にとってもらうにはどうすれば良いのか、調査してまいります。